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ASPカートシステムとは?特徴やメリット・デメリット、選び方・機能・費用を徹底解説

ASPカートシステムは、専門的な知識がなくてもECサイトを構築・運営できるサービスです。初期費用を抑えて導入できるものも多く、個人から企業まで幅広く利用されています。
ただし、サービスによって搭載機能や料金体系、カスタマイズの自由度などが異なるため、自社の事業規模や目的に合ったものを選ぶことが重要です。
本記事では、ASPカートシステムの基本的な仕組みや主な機能、メリット・デメリットを解説します。費用の目安や選び方、導入手順についても紹介するので、ECサイトの開設を検討している方はぜひ参考にしてください。
ASPカートシステムとは?
ASPカートシステムとは、インターネット経由でECサイトの構築・運営に必要な機能を提供するサービスのことです。
ASPは「Application Service Provider」の略で、ソフトウェアをサービスとして提供する形態を指します。これはSaaS(Software as a Service)とほぼ同義で、自社でサーバやソフトウェアを用意する必要がなく、月額料金を支払うだけで利用できるのが特徴です。
例えるなら、一戸建てを建てる(フルスクラッチ)のではなく、高機能な分譲マンションの一室を借りる(ASPカート)イメージです。キッチンやお風呂(カート機能や決済機能)は備え付けで、すぐに生活を始められます。手軽に始められるため、ASPカートは比較的小規模なEC事業者を中心に利用される構築方法の1つです。
ASPカートシステムとECサイトの構築方法の違い

ECサイトの構築方法は、費用、開発期間、カスタマイズ性の3つの軸で比較検討することが重要です。
以下の表で、4つの構築方法の違いを確認してみましょう。
| 構築方法 | 費用 | 開発期間 | カスタマイズ性 | 向いている事業者 |
| ASPカートシステム | 低(0円〜) | 短(即日〜) | 低〜中 | 個人、小〜中規模事業者 |
| ECパッケージ | 中(100万円〜) | 中(3ヶ月〜) | 中〜高 | 中〜大規模事業者 |
| オープンソース | 低〜高(変動) | 中〜長(3ヶ月〜) | 高 | 専門知識がある事業者 |
| フルスクラッチ | 高(1,000万円〜) | 長(6ヶ月〜) | 非常に高い | 大規模事業者、独自性の高い事業者 |
ASPカートは手軽さが魅力ですが、事業が成長し、独自の機能やデザインが必要になった際には、ECパッケージやフルスクラッチへの移行も視野に入ってきます。
以下では、それぞれの特徴について解説します。
ASPカートシステム
ASPカートシステムは、サービス提供会社が用意した仕組みを利用して、ECサイトを構築する方法です。主な特徴は以下のとおりです。
- 商品登録や注文管理、決済などの機能があらかじめ備わっている
- 自社でサーバを用意したり、システムを開発したりする必要がない
- サーバの保守やシステムの更新を基本的に提供会社が担当する
専門的な知識がなくてもECサイトを開設しやすく、初期費用や月額費用が無料のサービスもあります。一方、独自機能の追加や細かな仕様変更には制限があります。
そのため、導入費用や管理負担を抑えたい個人・小規模事業者や、初めてECサイトを開設する企業向きです。
ECパッケージ
ECパッケージは、ECサイトに必要な基本機能がそろったソフトウェアを導入し、自社に合わせて調整する方法です。主な特徴は以下のとおりです。
- 商品管理や受注管理などの基本機能があらかじめ備わっている
- 自社独自の販売方法や業務の流れに合わせて機能を追加・変更できる
- 在庫管理や会計など、社内で利用しているシステムと連携しやすい
ASPカートシステムよりもカスタマイズの自由度が高く、複雑な販売方法にも対応しやすい点がメリットです。一方、独自機能の追加や変更には、自社のエンジニアや外部の開発会社による作業が必要になる場合があり、導入費用や準備期間が増える傾向があります。
そのため、独自の販売ルールや複雑なシステム連携が必要な中〜大規模のEC事業者に適しています。
オープンソース
オープンソースは、一般に公開されているプログラムを利用して、ECサイトを構築する方法です。主な特徴は以下のとおりです。
- 公開されているプログラムを利用できる
- プログラムの内容を変更し、必要な機能を追加できる
- サーバの管理やセキュリティ対策を自社で行う必要がある
プログラム自体は無料で利用できるものもあり、ECサイトの機能やデザインを柔軟に変更できる点がメリットです。
ただし、サーバの契約や開発、保守などには別途費用がかかります。また、プログラムを扱う専門知識も必要になるため、自社に技術者がいる場合や、開発会社に依頼できる事業者に向いています。
フルスクラッチ
フルスクラッチは、既存のECサイト構築サービスやソフトウェアを利用せず、一からシステムを開発する方法です。主な特徴は以下のとおりです。
- デザインや機能を自社の要望に合わせて自由に設計できる
- 特殊な販売方法や複雑な業務にも対応できる
- 開発から公開後の保守・管理まで、専門的な対応が必要になる
あらかじめ用意された機能や仕様に制限されず、自社の販売方法や業務の流れに合わせてシステムを設計できる点がメリットです。
一方、システムを一から開発するため、多額の費用と長い開発期間が必要です。そのため、独自の機能が不可欠な大規模ECサイトや、十分な開発予算を確保できる企業に向いています。
ASPカートシステムの主な機能

ASPカートシステムには、ECサイトの構築から日々の販売業務までを支えるために、以下のような機能が備わっています。
- 商品管理機能
- 受注管理機能
- 決済機能
- 顧客管理機能
- 在庫管理機能
- デザイン・サイト管理機能
- 販促・マーケティング機能
- 分析機能
- 外部システム連携機能
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
商品管理機能
商品管理機能は、ECサイトで販売する商品の情報を登録・編集するための機能です。主に以下のような情報を管理できます。
- 商品名・商品説明文
- 販売価格・セール価格
- 商品画像・商品カテゴリ
- サイズ・カラーなどの商品バリエーション
- 商品の公開・非公開設定
商品情報を管理画面から登録・変更できるため、商品ページを1つずつプログラミングして作成する必要がありません。また、複数の商品をまとめて登録・更新できる機能を備えたサービスもあり、取扱商品が多いECサイトの商品情報管理にも活用できます。
受注管理機能
受注管理機能は、購入者から受け付けた注文を確認し、発送までの対応状況を管理するための機能です。主に以下のような業務に対応しています。
- 注文内容・注文日時の確認
- 注文者・配送先情報の確認
- 注文のキャンセル・変更処理
- 注文ステータスの管理
- 発送完了メールなどの通知
注文情報を管理画面に集約できるため、どの注文が未対応で、どの注文が発送済みなのかを把握できます。また、注文ステータスを「受付済み」「発送準備中」「発送済み」などに分けて管理することで、対応漏れや二重発送の防止にも役立ちます。
決済機能
決済機能は、ECサイトで商品を購入する際の支払い手続きを行うための機能です。ASPカートシステムによって、以下のような決済方法に対応しています。
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- 銀行振込
- キャリア決済
- QRコード決済・電子マネー決済
- 後払い決済
複数の決済方法に対応することで、購入者が希望する支払い方法を選びやすくなります。また、決済状況を管理画面から確認できるサービスもあり、支払い状況の把握に役立ちます。
ただし、利用できる決済方法や決済手数料、入金サイクルはサービスや契約内容によって異なるため、導入前に確認が必要です。
顧客管理機能

顧客管理機能は、ECサイトを利用する顧客の情報を記録・管理するための機能です。主に以下のような情報を管理できます。
- 氏名・住所・電話番号・メールアドレス
- 会員登録情報
- 過去の購入履歴
- 顧客ごとの累計購入金額・購入回数
- 顧客からの問い合わせ履歴
顧客情報を一元管理することで、過去の注文内容を確認したり、問い合わせに対応したりする際に必要な情報を探しやすくなります。また、購入回数や購入金額などの条件で顧客を分類できるサービスもあり、顧客ごとの利用状況を把握する際に役立ちます。
在庫管理機能
在庫管理機能は、ECサイトで販売する商品の在庫数を把握・管理するための機能です。主に以下のような業務に対応しています。
- 商品ごとの在庫数の登録・変更
- 注文に応じた在庫数の自動更新
- 在庫切れ商品の販売停止
- 在庫が少なくなった際の通知
- サイズ・カラー別の在庫管理
注文に応じて在庫数が自動更新されることで、手作業による数量の修正を減らせます。また、在庫数が0になった商品を自動的に販売停止にできるサービスもあり、在庫不足による注文トラブルの防止に役立ちます。
デザイン・サイト管理機能
デザイン・サイト管理機能は、ECサイトの見た目やページ構成、掲載内容を設定・編集するための機能です。主に以下のような操作ができます。
- デザインテンプレートの選択・変更
- ロゴやメイン画像の設定
- 文字の色や背景色、レイアウトの調整
- トップページや商品一覧ページの編集
- お知らせ・特定商取引法に基づく表記などのページ作成
あらかじめ用意されたテンプレートを利用すれば、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、ECサイトのデザインを整えられます。ただし、変更できる範囲や編集方法はサービスによって異なります。
テンプレートの設定だけでなく、HTMLやCSSを編集してデザインを調整できるサービスを利用すれば、よりこだわったデザインも可能です。
販促・マーケティング機能
販促・マーケティング機能は、商品の購入を促したり、リピーターを増やしたりするための機能です。主に以下のような施策に対応しています。
- 割引クーポンの発行
- 購入金額に応じたポイントの付与
- セール価格や期間限定キャンペーンの設定
- メールマガジンの配信
- 関連商品やおすすめ商品の表示
例えば、初回購入者向けのクーポンを発行したり、過去に購入した顧客へ新商品の案内を送ったりすることで、購入のきっかけを作れます。また、関連商品を表示する機能を活用すれば、購入者が興味を持ちそうな、ほかの商品も紹介できます。
分析機能

分析機能は、ECサイトの売上や利用状況を数値で確認し、販売状況を把握するための機能です。主に以下のようなデータを集計・確認できます。
- 売上金額・注文数
- 商品別の販売数量・売上
- 日別・月別の売上推移
- ECサイトへのアクセス数
- 購入率(コンバージョン率)
商品別の売上や販売数量を分析することで、売れ筋商品を把握できます。また、売上推移やアクセス数、購入率などを確認すれば、販売状況の変化やECサイトの課題を見つける手がかりになり、商品構成の見直しなど運営改善にも役立ちます。
外部システム連携機能
外部システム連携機能は、ASPカートシステムとほかの業務システムを接続し、データをやり取りするための機能です。主に以下のようなシステムとの連携に対応しています。
- 会計ソフト
- 倉庫管理システム(WMS)
- 物流・配送管理システム
- POSレジシステム
- 顧客管理システム(CRM)
例えば、会計ソフトと連携すれば、ECサイトの売上データを会計処理に活用できます。また、倉庫管理システムと連携することで、注文情報を倉庫側へ共有し、出荷作業につなげることも可能です。
システム間でデータを連携することで、同じ情報を何度も入力する手間や転記ミスを減らせるのも魅力です。
ASPカートシステムのメリット
ASPカートの導入には、コストや専門知識の面で多くのメリットがあります。特に、これからEC事業を始める方や、小〜中規模で運営している事業者にとって、その恩恵は大きいでしょう。ASPカートを利用する主なメリットは以下の5つです。
- 低コスト・短期間でECサイトを構築できる
- 専門的な知識がなくても運営しやすい
- サーバやセキュリティの管理負担を抑えられる
- システムを常に最新の状態に保ちやすい
- テンプレートや拡張機能を利用できる
それぞれ詳しく解説していきます。
低コスト・短期間でECサイトを構築できる
ASPカート最大のメリットは、コストパフォーマンスとスピード感です。
自社でECサイトをゼロから開発するフルスクラッチでは数千万円、ECパッケージでも数百万円の初期費用がかかる場合があります。それに対して、ASPカートなら初期費用無料、月額費用も無料〜数万円程度でECサイトを始めることができます。
高額な初期投資が不要なため、個人やスタートアップでもリスクを抑えて挑戦できます。商品と銀行口座さえあれば、申し込みから最短即日で自分のネットショップを開設できる手軽さは、他の構築方法にはない大きな魅力です。
専門的な知識がなくても運営しやすい
プログラミングやサーバの知識がなくても、直感的な操作でECサイトを運営できるのがASPカートの強みです。
多くのASPカートでは、あらかじめ用意されたデザインテンプレートを選び、商品情報を登録するだけで、デザイン性の高いECサイトが完成します。管理画面も分かりやすく設計されており、日々の受注管理や在庫管理、顧客対応などもスムーズに行えます。
例えるなら、ブログサービスで記事を投稿するような感覚で、ネットショップの運営が可能です。これにより、事業者は複雑なシステム管理に悩まされることなく、商品開発やマーケティングといった本来注力すべきコア業務に集中できます。
サーバやセキュリティの管理負担を抑えられる
ASPカートを利用すれば、ECサイト運営に不可欠なサーバ管理やセキュリティ対策を自社で行う必要がありません。
ECサイトを自社で構築・運営する場合、サーバの選定、構築、24時間365日の監視、そして不正アクセスや情報漏洩を防ぐための高度なセキュリティ対策が必須です。これには多大なコストと専門知識が求められます。
ASPカートなら、これらのすべてをサービス提供事業者が代行してくれます。常に安定したサーバ環境と、最新のセキュリティレベルが維持されるため、事業者は安心して販売に専念できます。特に、顧客の個人情報やクレジットカード情報を扱うECサイトにおいて、この安心感は非常に重要です。
システムを常に最新の状態に保ちやすい
法改正への対応や最新機能の追加が自動で行われるため、常に最適な環境でECサイトを運営できます。
EC事業を取り巻く環境は、消費税率の変更やインボイス制度の導入といった法改正、新しい決済手段の登場など、常に変化しています。自社でシステムを構築している場合、これらの変化に都度対応するための改修コストや手間が発生します。
ASPカートでは、システムが自動でアップデートされるため、事業者側のアップデート対応の負担を抑えられます。これにより、法対応の漏れによるリスクを防ぎ、常に顧客にとって利便性の高いサービスを提供し続けることが可能です。
テンプレートや拡張機能を利用できる
デザインテンプレートや拡張機能(アプリ)を組み合わせることで、オリジナリティのあるECサイトを構築できます。
多くのASPカートでは、プロのデザイナーが作成した多種多様なデザインテンプレートが用意されており、ブランドイメージに合ったデザインを手軽に実現できます。さらに、HTMLやCSSの知識があれば、より細かなカスタマイズが可能なサービスも増えています。
特に、Shopifyは世界でも有力なECプラットフォームの1つです。近年は「アプリ」を追加することで機能を拡張できるASPカートが主流です。これにより、SEO対策、SNS連携、顧客管理(CRM)など、自社の成長フェーズに合わせて必要な機能を後から追加していくことができます。
ASPカートシステムのデメリット
手軽で高機能なASPカートですが、メリットばかりではありません。導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、知っておくべきデメリットも存在します。ASPカートの主なデメリットは以下のとおりです。
- カスタマイズに制限がある
- 外部システムとの連携に制限がある
- 月額費用などのランニングコストがかかる
- サービス終了や仕様変更の影響を受ける可能性がある
これらのデメリットを理解し、自社の将来像と照らし合わせることが、正しいカート選びの鍵となります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
カスタマイズに制限がある
ASPカートは、フルスクラッチやECパッケージに比べて、デザインや機能のカスタマイズに制約があります。
ASPカートは、あくまで提供事業者が用意したプラットフォーム上でECサイトを構築するサービスです。そのため、テンプレートの枠を超えた独自のデザインや、特殊な販売方法を実現するための機能追加には限界があります。
ただし、近年はこのデメリットも解消されつつあります。特にShopifyは、APIを公開しており、アプリ開発や専門家への依頼によって高度なカスタマイズが可能です。とはいえ、根本的なシステムの仕様変更はできないため、自社が実現したい要件がASPカートの範囲内で収まるか、事前の確認が不可欠です。
外部システムとの連携に制限がある
事業規模の拡大に伴い、基幹システムやWMS(倉庫管理システム)などとの連携が必要になる場合がありますが、ASPカートによっては対応できないケースがあります。
EC事業が成長すると、在庫管理、顧客管理、会計処理などを効率化するために、専門の外部システムとの連携が不可欠になります。例えば、実店舗とECの在庫を一元管理するためのPOSレジ連携や、マーケティングを自動化するMAツール連携などです。
多くのASPカートはAPI連携に対応していますが、連携できるシステムの種類や範囲はサービスによって大きく異なります。将来的な事業拡大を見据え、自社で導入予定のシステムと連携可能か、事前に確認しておくことが重要です。
特に、顧客データを活用したCRM戦略を重視する場合、顧客情報のエクスポートや外部CRMツールとの連携の可否は必ずチェックしましょう。
月額費用などのランニングコストがかかる
ASPカートシステムは初期費用を抑えて導入できる一方、月額利用料や決済手数料などのランニングコストが発生します。
特に、月額利用料が設定されているサービスでは、売上が少ない月でも一定の費用がかかります。また、利用する機能や契約プランによっては、オプション料金などが追加されることもあります。
そのため、導入時の費用だけでなく、継続的に発生する費用も含めて予算を検討することが重要です。無料プランがある場合も、必要な機能を利用した際の追加費用まで確認しておきましょう。
サービス終了や仕様変更の影響を受ける可能性がある
ASPカートは他社のプラットフォームを利用するため、その事業者の都合によるサービス終了や仕様変更のリスクが常に伴います。
万が一、利用しているASPカートのサービスが終了してしまった場合、ECサイトを別のカートで再構築する必要があり、多大な時間とコストがかかります。また、突然の料金プラン改定により、運営コストが大幅に増加する可能性もゼロではありません。
このようなリスクを完全に避けることは難しいですが、サービス選定時に運営会社の経営状況や実績、導入事例などを確認することで、リスクを低減することは可能です。また、定期的に商品データや顧客データをエクスポートしてバックアップを取っておくことも、万が一の事態に備える上で重要です。
ASPカートシステムの費用

ASPカートシステムを利用する際は、以下のような費用が必要になります。
- 初期費用
- 月額費用
- 決済手数料
- 販売手数料
- オプション・追加機能の費用
- 無料ASPカートシステムと有料ASPカートシステムの違い
料金体系はサービスによって異なるため、有料と無料の違いについても含め、詳しく見ていきましょう。
初期費用
初期費用は、ASPカートシステムを導入する際に発生する費用です。主にアカウントの開設やシステムの初期設定などに対して設定されており、契約時に一度だけ支払うのが一般的です。
初期費用が無料のサービスも多く、ECサイトを開設する際の負担を抑えられます。一方、サービスによっては初期費用が設定されているほか、独自ドメインの取得やデザイン制作などに別途費用がかかる場合もあります。
導入前には、初期費用の有無だけでなく、ECサイトを公開するまでに必要な費用の総額を確認することが重要です。
月額費用
月額費用は、ASPカートシステムを継続して利用するために毎月支払う料金です。商品管理や受注管理などの基本機能、システムの維持・管理などに対する利用料として設定されています。
月額費用は無料のものから数万円以上のものまで幅があり、契約するプランによって利用できる機能や登録可能な商品数、サポート内容などが異なります。また、月額固定制だけでなく、年払いによって料金が割安になるサービスもあります。
料金を比較する際は、月額費用の安さだけで判断せず、必要な機能が契約プランに含まれているか確認しましょう。
決済手数料
決済手数料は、購入者がクレジットカードや電子マネーなどで商品代金を支払う際に発生する費用です。一般的には、決済金額に対して一定の割合で計算されますが、1件あたりの固定料金が加算される場合もあります。
決済手数料は、利用するサービスや決済方法、契約プランによって異なります。注文ごとに発生する費用のため、売上に対してどの程度の負担になるか確認しておきましょう。
引用:BASE公式サイト
販売手数料

販売手数料は、ECサイトで商品が売れた際に、ASPカートシステムの提供会社へ支払う費用です。販売手数料が設定されている場合は、決済手数料とは別に発生し、売上金額に一定の割合を掛けて計算するのが一般的です。
例えば、BASEのスタンダードプランでは、決済手数料とは別に3%の「サービス利用料」が設定されています。商品代金と送料の合計が5,000円の場合、サービス利用料は150円です。
このように、サービスによっては1件の注文に対して複数の手数料が発生します。一方、販売手数料が無料のプランもあるため、決済手数料と合わせた負担額を確認しておきましょう。
引用:BASE公式サイト
オプション・追加機能の費用
オプション・追加機能の費用は、基本プランに含まれていない機能やサービスを利用する際に発生する料金です。例えば、以下のようなものがあります。
- 有料のデザインテンプレート
- メール配信機能の追加・配信数の拡張
- 定期購入(サブスクリプション)機能の追加
- 独自ドメインや追加ストレージの利用
- 有料アプリ・プラグインの導入
オプション料金には、導入時に一度だけ支払うものと、月額料金として継続的に発生するものがあります。また、利用量に応じて料金が変わる場合もあります。
必要な機能を追加していくと、基本プランの料金だけでは収まらないこともあるため、導入前に追加費用を含めた総額を確認しておきましょう。
無料ASPカートシステムと有料ASPカートシステムの違い
ASPカートシステムには、初期費用や月額費用が無料のプランと、有料のプランがあります。無料・有料プランの一般的な違いを整理すると、以下のとおりです。
| 比較項目 | 無料プラン | 有料プラン |
| 初期費用 | 無料 | 無料または有料 |
| 月額費用 | 無料 | 月額または年額の利用料が発生 |
| 決済・販売手数料 | 売上に応じた手数料が主な費用 | 月額料金とは別に手数料が発生する料金体系もある |
| 機能・カスタマイズ | 基本機能を中心に利用 | 高度な機能やカスタマイズの選択肢が広い |
| サポート体制 | FAQなどの基本的なサポートが中心 | 電話対応や優先サポートなどの選択肢がある |
| 主なメリット | 売上が少ない時期も固定費を抑えられる | 必要な機能を確保しながら運営規模を拡大しやすい |
| 主な注意点 | 売上が増えると手数料負担が大きくなることがある | 売上が少なくても固定費が発生する |
無料プランは、初めてECサイトを開設する場合や、固定費を抑えて小規模に販売を始めたい場合に適しています。一方、有料プランは機能やサポートを充実させたい事業者におすすめです。
また、販売時の手数料が低く設定されたプランであれば、売上規模によっては無料プランより総費用を抑えられます。そのため、月額費用だけでなく、売上規模や必要な機能、手数料を含めた総費用で比較しましょう。
なお、ECサイト全体の開設相場なども詳しく知りたい方は「ECカートシステムの7つの基本機能と特徴を詳しく解説!」も参考にしてください。
ASPカートシステムの選び方7つのポイント
数あるASPカートの中から、自社に最適な1つを見つけ出すのは簡単なことではありません。ここでは、カート選びで失敗しないために、必ず比較検討すべき7つの重要なポイントを解説します。主なポイントは以下の7つです。
- 【事業規模】個人・小規模向けか、中〜大規模向けか
- 【販売形式】総合通販か、定期通販(サブスク)か、BtoBか
- 【料金体系】初期費用・月額費用・販売手数料のバランス
- 【デザイン性】テンプレートの豊富さとカスタマイズの自由度
- 【機能性】必要な機能が標準搭載されているか、アプリで追加できるか
- 【サポート体制】日本語での問い合わせや緊急時の対応は万全か
- 【外部連携】POSレジ、会計ソフト、MAツールなどと連携できるか
これらのポイントを1つずつチェックし、自社のビジネスモデルや事業フェーズに照らし合わせてみましょう。それぞれ詳しく解説していきます。
1.【事業規模】個人・小規模向けか、中〜大規模向けか
事業の現在地と将来の展望に合わせて、適切な規模感のカートを選ぶことが重要です。
月商数十万円を目指すスモールスタートの段階であれば、BASEやSTORESのような無料プランのあるカートが適しています。一方、月商数百万円以上を目指す本格的なECサイトであれば、ShopifyやMakeShopのような機能拡張性や大規模なトラフィックに耐えうるカートが必要になります。
重要なのは、「カートは乗り換えが大変」という事実です。事業の成長に合わせてカートを乗り換えるのは多大な労力がかかるため、将来の事業拡大を見据えた上で、少し背伸びしたスペックのカートを選んでおくというのも1つの戦略です。
2.【販売形式】総合通販か、定期通販(サブスク)か、BtoBか
自社が扱う商材やビジネスモデルによって、必要となるカートの機能は大きく異なります。
アパレルや雑貨などの一般的な商品を販売する「総合通販」であれば、ほとんどのASPカートで対応可能です。しかし、化粧品や健康食品などで主流の「定期通販(サブスクリプション)」を行いたい場合は、ecforceやリピストクロスのように、専用の機能(決済サイクルの設定、マイページでの変更受付など)が充実したカートを選ぶ必要があります。
また、法人向けの「BtoB-EC」を展開する場合は、Bカートのように、掛け売り決済、得意先ごとの価格設定、見積書発行機能などを備えた専用カートが不可欠です。BtoB ECの構築方法については、「 BtoB EC構築で悩む前に知りたい4つの手法とそのメリット 」も参考にしてください。
3.【料金体系】初期費用・月額費用・販売手数料のバランス
料金は、初期費用と月額費用だけでなく、販売手数料や決済手数料まで含めたトータルコストで比較することが重要です。
例えば、BASEのスタンダードプランは初期・月額費用が0円ですが、売れた時に決済手数料3.6%+40円とサービス手数料3%がかかります。一方、ShopifyのBasicプランは月払いで月額4,850円(年払いは月額換算3,650円)で、決済手数料は3.55%です。
一見、無料プランがお得に見えますが、売上が増えるほど手数料の負担が重くなります。月商がどのくらいになったら有料プランの方が得になるのか、損益分岐点をシミュレーションしてみましょう。
売上が増えるほど手数料の負担も大きくなるため、売上規模によっては、月額費用がかかっても手数料の低いプランのほうが総費用を抑えられる場合があります。
4.【デザイン性】テンプレートの豊富さとカスタマイズの自由度
ECサイトのデザインは、ブランドの世界観を伝え、顧客の購買意欲を高める上で非常に重要な要素です。
各ASPカートが提供するデザインテンプレートの数やテイストは様々です。自社のブランドイメージに合ったテンプレートがあるか、事前に確認しましょう。多くのカートで無料のテンプレートが用意されていますが、よりデザイン性の高い有料テンプレートを選ぶのも1つの手です。
また、どこまで細かくカスタマイズできるかも重要な比較ポイントです。HTMLやCSSの知識がある場合は、コードを直接編集できるカートを選ぶと、よりオリジナリティの高いサイトを構築できます。Shopifyのように、専門の制作会社やフリーランスに依頼して、独自のデザインを構築できるサービスもあります。
5.【機能性】必要な機能が標準搭載されているか、アプリで追加できるか
自社のEC運営に最低限必要な機能が何かを洗い出し、それが標準で備わっているかを確認しましょう。
ECサイトに必要な機能は多岐にわたりますが、特に「決済機能」「在庫管理機能」「顧客管理機能」「販促機能」は重要です。例えば、クレジットカード決済以外に、コンビニ決済や後払い決済に対応したいか。複数の倉庫と在庫連携が必要か。メルマガやクーポンを発行したいか、などです。
もし標準機能だけでは不足する場合、アプリ(プラグイン)で機能を追加できるかを確認します。Shopifyのように豊富なアプリストアがあれば、大抵のことは実現できますが、アプリの多くは有料であり、月額費用がかさむ可能性がある点には注意が必要です。ECカートの基本機能については、「 ECカートシステムの7つの基本機能と特徴を詳しく解説! 」で詳しく解説しています。
6.【サポート体制】日本語での問い合わせや緊急時の対応は万全か
ECサイト運営では予期せぬトラブルが発生することもあるため、サポート体制の充実は非常に重要です。
特に、サイトが表示されない、決済ができないといった緊急時には、迅速に対応してくれるサポートデスクの存在が心強い味方になります。サポートの対応範囲はカートによって異なり、電話、メール、チャットなど問い合わせ方法も様々です。平日のみか、土日祝も対応しているかも確認しましょう。
また、Shopifyのような海外製のASPカートを利用する場合は、日本語でのサポートが受けられるか、時差なく対応してもらえるかは重要なポイントです。マニュアルやFAQが日本語で整備されているかも合わせてチェックしておくと安心です。
7.【外部連携】POSレジ・会計ソフト・MAツール・物流システムと連携できるか
事業の成長を見据え、将来的に必要となるであろう外部システムとの連携可否を確認しておくことが重要です。
例えば、実店舗も運営している場合は、店舗のPOSレジとECサイトの在庫情報を一元管理できると非常に効率的です。また、日々の売上データを会計ソフトに自動で取り込めれば、経理業務の負担を大幅に削減できます。
その他にも、マーケティングオートメーション(MA)ツールとの連携による顧客へのアプローチ自動化や、出荷量の増加に伴う倉庫管理システム(WMS)との連携など、事業フェーズによって様々なシステム連携のニーズが生まれます。API連携の可否や、連携できるアプリ・サービスの種類を事前に確認しておきましょう。
ASPカートシステムの導入手順

ASPカートシステムを導入する際は、次の7ステップで進めます。
- ECサイトの目的と必要な機能を整理する
- ASPカートシステムを比較する
- 料金や契約内容を確認する
- サービスを契約して初期設定を行う
- 商品情報やデザインを登録する
- 決済・配送方法を設定する
- テスト注文を行ってECサイトを公開する
導入後の運営をスムーズに始めるためにも、それぞれについて詳しく確認していきましょう。
ECサイトの目的と必要な機能を整理する
まずは、ECサイトを開設する目的や販売する商品、ターゲットとなる顧客層を明確にしましょう。そのうえで、運営に必要な機能を洗い出します。
例えば、以下のような項目を整理しておくと、必要な機能を判断しやすくなります。
| 項目 | 確認する内容 |
| 販売する商品 | 食品・衣類・雑貨・デジタル商品など |
| 販売方法 | 単品販売・定期購入・法人向け販売など |
| 取扱商品数 | 登録予定の商品数や種類 |
| 運営体制 | 担当者の人数や受注・発送業務の進め方 |
| 必要な機能 | 在庫管理・クーポン発行・会員管理など |
また、開設時に必要な機能と、将来的に追加したい機能を分けて整理しておけば、導入の優先順位をつけやすくなります。
ASPカートシステムを比較する
必要な機能や運営方針が決まったら、条件に合うASPカートシステムを比較します。各サービスの公式サイトなどで、主に以下の項目を確認しましょう。
- 自社の販売形式への対応
- 必要な機能の充実度
- 管理画面の操作性
- デザインの自由度
- 機能の拡張性
無料トライアルやデモ画面が用意されている場合は、管理画面の操作を実際に試し、使いやすさを判断してみてください。
料金や契約内容を確認する
導入するASPカートシステムの候補を絞り込んだら、料金や契約内容を確認しましょう。主に確認しておきたい項目は以下のとおりです。
- 初期費用・月額費用
- 決済手数料・販売手数料
- オプション機能の追加料金
- 契約期間・更新条件
- 解約時の条件・費用
特に、月額費用が安くても、決済手数料やオプション料金によって運営コストが増えることがあります。想定する売上や注文数をもとに、継続的に発生する費用も計算してください。
また、最低契約期間や解約時の違約金の有無なども確認し、条件に納得したうえで契約することが大切です。
サービスを契約して初期設定を行う

利用するASPカートシステムが決まったら、サービスへの申し込みと初期設定を行います。
契約後は管理画面にログインし、ショップ名や運営会社の情報、連絡先などを登録します。また、独自ドメインを利用する場合は、ドメインの取得や接続設定も必要です。
あわせて、特定商取引法に基づく表記やプライバシーポリシーなど、ECサイトの運営に必要な情報も整備しておきましょう。複数人でECサイトを管理する場合は、担当者ごとにアカウントや操作権限を設定しておくと、運営開始後の管理がしやすくなります。
商品情報やデザインを登録する
初期設定が完了したら、販売する商品を登録し、ECサイトのデザインを整えます。商品登録では、主に以下の情報を設定します。
- 商品名・商品説明文
- 販売価格
- 商品画像
- 商品カテゴリ
- サイズ・カラーなどの種類
- 商品ごとの在庫数
商品情報を登録したら、デザインテンプレートを選び、ロゴやメイン画像、背景色などを設定します。トップページや商品一覧ページのレイアウトも調整し、購入者が商品を探しやすい構成に整えましょう。
また、商品説明に誤りがないか、画像が正しく表示されているかなど、公開前に掲載内容を確認しておくことも大切です。
決済・配送方法を設定する
商品情報やデザインの登録が完了したら、購入者が利用できる決済方法と、商品の配送方法を設定します。
決済方法は、クレジットカード決済や銀行振込、コンビニ決済などから、自社の顧客層に合うものを選びましょう。利用する決済方法によっては、事前の申し込みや審査が必要になるため、早めに手続きを進めてください。
配送については、主に以下の項目を設定します。
- 利用する配送会社
- 配送方法・配送地域
- 地域別・重量別などの送料
- 送料無料になる条件
- 配送日時の指定可否
また、発送までにかかる日数や返品・交換の条件なども明示し、購入者が安心して注文できる環境を整えましょう。
テスト注文を行ってECサイトを公開する
すべての設定が完了したら、ECサイトを公開する前にテスト注文を行い、購入手続きが正常に進むか確認します。
その際に、主に確認しておきたい項目は以下のとおりです。
- 商品のカートへの正常追加
- 注文情報の入力・送信
- 決済処理の動作
- 送料・合計金額の計算
- 注文確認メールの送信
- 管理画面への注文情報の反映
テスト注文では、購入者側の操作だけでなく、管理画面での受注確認や発送処理まで一通り確認しておくことが重要です。
問題が見つかった場合は設定を修正し、再度テストを行います。すべての動作に問題がないことを確認できたら、ECサイトを公開して販売を開始しましょう。
ASPカートシステムを導入する際の注意点

ASPカートシステムは、導入後に想定外の費用や運営上の問題が発生しないよう、次の点に注意が必要です。
- 必要な機能が標準搭載されているか確認する
- 将来的な事業拡大にも対応できるか確認する
- 外部サービスとの連携範囲を確認する
- 契約期間や解約条件を確認する
- サポート内容や対応時間を確認する
- セキュリティや障害発生時の対応を確認する
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
必要な機能が標準搭載されているか確認する
自社に必要な機能がASPカートシステムに用意されていても、契約するプランによっては利用できないことがあります。例えば、クーポン発行や定期購入、詳細な売上分析などの機能が、有料オプションや上位プランでのみ提供されているケースです。
そのため、公式サイトの機能一覧だけで判断せず、以下の点を確認しましょう。
- 標準プランで利用できる機能
- 上位プランでのみ利用できる機能
- 有料オプションの対象となる機能
- 各機能の利用回数や登録件数の制限
必要な機能をすべて利用した場合の料金も確認し、契約後に想定外の追加費用が発生しないようにしましょう。
将来的な事業拡大にも対応できるか確認する
ASPカートシステムを選ぶ際は、現在の運営規模だけでなく、将来的な事業拡大も考慮する必要があります。
例えば、取扱商品や注文数が増えた際に、商品登録数やデータ容量などの上限が問題になることがあります。また、アクセスが集中した場合に、ECサイトが安定して稼働するかも重要な確認事項です。
事業規模の拡大を見据え、以下の点を確認しておきましょう。
- 商品登録数やデータ容量の上限
- 注文数やアクセス数の増加への対応
- 上位プランへの変更の可否
- 新たな機能や販売方法の追加への対応
特に、上位プランへ変更する際は、既存の商品情報や顧客データを引き継げるか、移行作業が必要になるかも確認しておくと安心です。
外部サービスとの連携範囲を確認する
ASPカートシステムが外部サービスとの連携に対応していても、必要なデータをすべて連携できるとは限りません。
例えば、会計ソフトと連携できる場合でも、売上データのみが対象で、返品・返金情報は手動で処理する必要があるケースもあります。また、在庫管理システムとの連携では、データの更新頻度によって在庫情報の反映に時間がかかることもあります。
導入前には、以下の項目を確認しましょう。
- 利用中の外部サービスとの互換性
- 連携できるデータの種類
- データの更新頻度や自動連携の範囲
- 連携に必要な追加費用や設定作業
サービス名が連携先として掲載されているだけで判断せず、実際の業務に必要な情報をやり取りできるかまで確認することが重要です。
契約期間や解約条件を確認する

ASPカートシステムを契約する際は、利用開始時の条件だけでなく、解約時の手続きやデータの取り扱いも確認しておきましょう。特に、以下の項目は事前に確認が必要です。
- 最低利用期間の有無
- 契約の自動更新の有無
- 解約申請の期限や方法
- 途中解約時の違約金
- 商品・顧客・注文データの出力可否
例えば、別のASPカートシステムへ乗り換える際に、必要なデータを出力できなければ、商品情報の再登録などに手間がかかります。
また、解約後は管理画面にアクセスできなくなるサービスもあるため、必要なデータをいつまでに取得できるかも確認しておくことが大切です。
サポート内容や対応時間を確認する
ASPカートシステムのサポートは、問い合わせ方法や対応時間だけでなく、相談できる内容もサービスによって異なります。
例えば、基本的な操作方法には対応していても、外部システムとの連携設定や個別のカスタマイズについては、サポート対象外となることがあります。
導入前には、以下の項目を確認しましょう。
- 電話・メール・チャットなどの問い合わせ方法
- サポートの対応曜日・時間帯
- 操作方法や設定に関する支援範囲
- 技術的なトラブルへの対応範囲
- 有料サポートの有無
特に、土日や夜間にも注文を受け付けるECサイトでは、問い合わせ対応時間外にトラブルが発生することもあります。緊急時の連絡手段や対応の流れまで把握しておくと、問題が発生した際に適切に対処できます。
セキュリティや障害発生時の対応を確認する
ASPカートシステムでは、サーバの管理やシステムの保守を提供会社が担いますが、セキュリティ対策のすべてを任せられるわけではありません。
例えば、管理画面のパスワード管理や従業員ごとのアクセス権限の設定などは、ECサイトの運営者側でも適切に行う必要があります。導入前には、以下の項目を確認しましょう。
- 通信の暗号化や不正アクセス対策
- 二要素認証やアクセス権限の設定機能
- データのバックアップ体制
- システム障害時の通知方法
- 障害発生時の復旧対応や情報提供
特に、管理画面への不正ログインを防ぐため、推測されにくいパスワードの設定や二要素認証の利用、不要になったアカウントの削除など、運営者側で実施する対策も徹底しましょう。
ASPカートシステムに関するよくある質問

最後に、ASPカートシステムの導入を検討する際によくある質問をまとめました。
ASPカートシステムは無料で利用できますか?
ASPカートシステムには、初期費用や月額費用が無料のサービスもあります。ただし、商品が売れた際の決済手数料や販売手数料は発生することが一般的です。
また、利用できる機能に制限がある場合もあるため、無料で利用できる範囲を確認しましょう。
ASPカートシステムとECモールはどちらを選べばよいですか?
独自のブランドイメージを打ち出したい場合はASPカートシステム、モール自体の集客力を活用したい場合はECモールが選択肢になります。
ASPカートシステムはデザインや販売施策の自由度が比較的高い一方、自社での集客が必要です。ECモールは集客面でメリットがありますが、モールの規約や運営ルールに従う必要があります。
ASPカートシステムは途中で乗り換えられますか?
ASPカートシステムは、運営途中でも別のサービスへ乗り換えられます。
ただし、商品情報や顧客データ、注文履歴などをそのまま移行できるとは限りません。移行できるデータの種類や形式、移行作業にかかる手間を事前に確認することが大切です。
ASPカートシステムは複数利用できますか?
ASPカートシステムを複数契約し、それぞれでECサイトを運営することは可能です。
例えば、ブランド別にショップを分けたり、販売対象に応じて使い分けたりできます。ただし、注文や在庫を個別に管理する必要があるため、運営負担や費用の増加には注意が必要です。
ASPカートシステムにセキュリティ対策は必要ですか?
ASPカートシステムでは、提供会社がサーバ管理やシステムの保守を行いますが、運営者側でもセキュリティ対策が必要です。
管理画面のパスワードを適切に管理し、二要素認証やアクセス権限の設定などを活用して、不正ログインや情報漏えいのリスクを減らしましょう。
必要な機能や費用を比較して自社に合うASPカートシステムを選ぼう

ASPカートシステムは、専門的な知識がなくてもECサイトを構築・運営しやすく、初期費用や管理負担を抑えられることが特徴です。
ただし、利用できる機能や料金体系、カスタマイズの自由度などはサービスによって異なります。導入費用の安さだけで判断すると、必要な機能が使えなかったり、運営開始後に追加費用が発生したりすることもあります。
まずは、自社の販売方法や取扱商品、運営体制を整理し、必要な機能を明確にしましょう。そのうえで、複数のサービスを比較し、導入後の運営コストや将来的な事業拡大への対応も含めて検討することが大切です。
自社の事業規模や運営方針に合ったASPカートシステムを選び、無理のないECサイト運営につなげましょう。